インターネットの世界では、万人受けするものほど特徴が薄くなり、ライバルの中に埋もれてしまいます。
たとえて言えば、平凡でソツなくまとめられた国産車よりも、強烈な個性で好き嫌いが分かれるフランス車のほうが、全体の数は少なくても『好きだ』と支持する人を集めやすく、 ニッチ(隙間)な分野で抜きん出た存在になれるということです。(注・好きだと言う人が絶対に多い、とは限りません)
つまり、ある意味、偏ったオタク的なものほど、一人勝ちできる可能性があります。
また検索エンジンも、そうしたオタク的で専門的内容を備えたホームページを評価する傾向があります。
そして、特徴的なお店や会社になればなるほど、露骨に立ち向かおうとするライバルも少なくなり、競争の少ないところでオリジナリティあるビジネス展開ができるというメリットもあります。
この方法は、特に小回りの効く中小企業で有効な戦略ですが、大手企業でも部門を特化していけば応用可能です。
『いくらオリジナルにこだわっても、どうせすぐに真似されてしまうよ』と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、何かに特化すればするほど、他者が露骨に真似することは難しくなってきます。
見る側も、「ああ、これは〇〇の真似だな」とすぐに気づくので、そういう店や会社がいくら何かを真似しても、さほどの評価は得られないでしょう。
なお、同じ分野で同じようなものが二つ以上存在する場合、それはもちろんライバルとなるわけですが、個々の価値観を主張し、認めてくれるファン層を持つことで、共存も可能になります。
ただ、そのレベルに達している時点で、それはすでに『それぞれが本物である』ということでもあります。
たとえば、コカ・コーラとペプシコーラのように、一見同じように見えても、実は全く違うものであり、それを求める人たちが違いを価値として認めている、というようにです。
結局は、独り勝ちするには、他には真似できない唯一の『何か』を持ち、しかもそれを支持してくれるファンがいる、ということが必要なのだと思います。